契約解除を突きつけられる委託先

契約書には、契約終了のトリガとして「解除」「解約」「満了」という言葉が並んでいる。

どれも「契約が終わる」という点のみに限ればでは同じだが、終了の際の条件やその後に発生する義務が異なるので、その意味するところはきちんと理解しておきたい。

契約の解除とは

契約が有効に成立した後、契約の当事者の一方が解除権を有する場合に相手方に対する意思表示によって契約関係を解消することをいう(民法540条)。

端的に言うと、契約が最初から無かった状態にするということとなる。

最初から契約が無かったことになるため、原則として原状回復義務が生じ、契約関係を解消する時点までにやり取りしたものは返還しなければならない(民法545条1項)。

その際、金銭の返還をする場合には利息を付さなければならない(民法545条2項)。

また、金銭以外の契約の目的物から経済的な利益が生じていた場合も返還しなければならない(民法545条3項)。

契約の解約とは

契約期間の途中から、将来に向かってのみ契約関係を解消することをいう。

解除とは異なり、解約時までの契約関係は有効のままとなる。

したがって、原状回復義務は発生しないが、契約内容によっては違約金が発生することもある点は留意が必要である。

契約の満了とは

定められた契約期間が終わり、当然に契約が終了することである。

契約期間中に解除や解約がなく、契約更新もしなければ契約満了となる。

大抵の契約は満了により終了するわけだが、ここで契約に自動更新条項があると、気付かないうちに更新されてしまうことがあるの点は要注意である。

とはいえ、「逆に知らないうちに契約が終わっていた」、というリスクも起こり得るため、契約内容によって自動更新条項は適宜入れ込むことを検討しておきたい。

存続条項について

残存条項とも呼ばれるが、これは契約終了後も有効とする条項を規定するものである。

秘密保持や損害賠償、知的財産権、合意管轄、準拠法といった条項を適切に残さないと、契約終了後に情報漏えいや責任追及不能などの重大なリスクが発生するため、これらの条項に関しては有効とするわけである。

解除は「契約が最初から無かった状態にする」と説明したが、存続条項については「本契約終了後も、第●条⋯の規定は、引き続きその効力を有するものとする。」という記載が通常であり、たとえ解除であっても存続条項は有効となると解される。

ただし、秘密保持に関しては半永久的に義務を課されると管理コスト等が大きくなってしまうため、例えば契約終了後2〜5年のレンジで有効とするといった内容とすることも多い。

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